ブロイヤー コレクション ワシリーラウンジチェア
1920年代初頭にバウハウスの学生として学んでいたマルセル・ブロイヤー。当時といえば、抽象画家のワシリー・カンディンスキーがバウハウスで教鞭を取っていた頃です。カンディンスキーは、ブロイヤーが製作したこの椅子を大変気に入っていたとか。その後、ブロイヤーがワシリー・カンディンスキーの誕生日に椅子を贈ったことから、「WASSILY CHAIR(ワシリーチェア)」という名前が付けられました。
アドラー社製の自転車ハンドルの美しいラインから着想を得てデザインしたというワシリーチェア。1925年当時、デ・ステイル運動の構成主義理論に影響を受けたマルセル・ブロイヤーは、古典的なクラブチェアの形状から要素を減らした線と面で構成するデザインを目指し、スチールパイプの製作実験を始めました。
スチールの加工方法までも検討し生まれたワシリーチェアは、それまでの木製椅子にはない洗練されたデザインで人々を驚かせました。1934年には、ニューヨーク近代美術館MoMAに寄付され、永久コレクションとして所蔵されています。
エレガントでラグジュアリーな雰囲気を漂わせるワシリーラウンジチェアは、ご家庭のリビングルームに限らず、ホテルのロビーやラウンジなどに取り入れられています。
W79 x D69 x H73cm / SH42cm
フレーム:スチールパイプ クローム仕上
張地:カウハイド
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ドイツ出身のハンス・ノル(ウォルター・ノルの息子)は、1938年にニューヨークで家具ブランド、Knoll(ノル)を設立しました。ノルの経営にはデザイナーであり妻であるフローレンス・ノルも務め、夫婦で事業の発展に取り組みました。「ノル社の歴史は、近代デザイン運動の歴史でもある」と言われ、ミッドセンチュリーモダンを代表する家具ブランドとして国際的地位を確立しました。代表作には、ミース・ファン・デル・ローエの「バルセロナ・チェア」やエーロ・サーリネンの「チューリップチェア」など、20世紀デザインに多大な影響を与えた数々の名作家具があります。「使われる芸術品」と評されたノルの家具は、美しさと心地良さがあり、家庭のあらゆるシーンにおいて、モダンでありながら温かな空間を生み出してくれます。
Marcel Breuer(マルセル・ブロイヤー)は、1902年ハンガリー生まれ。1920年にバウハウス・ヴァイマールの一期生として家具工房へ入学します。1925年から28年までバウハウス・デッサウで家具工房の主任を務めたマルセル・ブロイヤーは、「ワシリーチェア」や「チェスカチェア」など、自転車構造から着想を得たスチールパイプの家具を生み出しました。それらはモダニズムデザインの代表作となり、多くのデザイナーに影響を与えました。
ワシリーチェアの誕生は、家具史における重要な出来事のひとつ。近代建築の巨匠ル・コルビュジェやミース・ファン・デル・ローエらは、ブロイヤーに続いてスチールパイプ製の椅子を生み出しました。ワシリーチェアは、モダニズムデザインの先駆けともいえる名作なのです。(スタッフK.I)