DANESE

ダネーゼ

空間に価値を与える企業であり続けてきたDANESE(ダネーゼ)は、かつては1957年にBruno Danese（ブルーノ・ダネーゼ）とその妻Jacqueline Vodoz（ジャクリーン・ヴォドツ）によってイタリア・ミラノに設立された日用品を主に扱う小さなショップでした。そして1960年代には、「デザイン関係者はミラノを訪れるとDANESE(ダネーゼ)に必ず立ち寄る」といわれるほど、イタリア・モダン・デザインにおいて重要な役割を担っていました。

DANESE(ダネーゼ)がデザインの世界で長く注目を集め続けた理由は、ダネーゼ夫妻の頑なまでの商品哲学にあります。彼らはファッションとしての大量消費に頼らず、長く使い続けられる良品を作ることを重視していました。「人間は生まれてからいつもモノと関わり合いながら生きている。だからこそ、モノは私たち人間にとってもっとも身近な存在であり、非常に重要な意味をもっている」というダネーゼ氏の言葉が物語っています。

この理念を具体化したのが、Bruno Munari（ブルーノ・ムナーリ）やEnzo Mari（エンツォ・マーリ）といったアーティストたちです。DANESE(ダネーゼ)の商品は、彼らの素材と美の探求、それを精巧に形にする職人の技術、そしてダネーゼ夫妻による“長く使い続けられる良品を”という消費者との対話によって生まれました。これにより、企業とインダストリアルデザイン、アーティスト、消費者が一体となった希有な成功例となったのです。

このように高い理想を持ち続けたDANESE(ダネーゼ)ですが、時代は大量生産・大量消費へと進み、 “長く使い続けられる良品を”という生産スタイルは徐々に消費のサイクルと合わなくなっていきました。その結果、1991年にダネーゼ夫妻が経営するDANESE(ダネーゼ)のショップは惜しまれつつも閉鎖されてしまいました。

そして、10年後、アートディレクターにカルロッタ・デ・ベヴィラックァが就任し、2001年のミラノ・サローネでDANESE(ダネーゼ)は新製品を発表し、再始動しました。

DANESE（ダネーゼ）は、ダネーゼ夫妻の哲学を受け継ぎながら、新しい時代の風を吹き込み、Enzo Mari（エンツォ・マーリ）、Paolo Rizzatto（パオロ・リザット）、James Irvine（ジェームズ・アーヴィン）、といった世代を超えたデザイナーたちが名を連ね、再び復活を果たしました。多くのデザイナーが表面的な形だけでなく、その機能からデザインするという理念を実践し、現代社会においてデザイン本来の役割を再認識するとともに、かつてのDANESE(ダネーゼ)の制作プロセスと同様に、デザイナーの探求、ユーザーのニーズ、オーナーのプロデュースによって生み出された製品は、他の追随を許さないクオリティーを維持しています。

近年では、イタリア人デザイナーのジュリオ・イアケッティがクリエイティブ・ディレクターに就任し、DANESE(ダネーゼ)の歴史を意識したブランド戦略を展開しています。積極的に新素材や新製法を取り入れ、環境に配慮した製品を模索し続けています。

MAARKETにて、ぜひお買い物をお楽しみください。