Jasper Morrison
ジャスパー・モリソン
Jasper Morrison(ジャスパー・モリソン)は、ここ数十年来、最も成功したプロダクトデザイナーの一人です。1959年にロンドンで生まれ、キングストン美術学校、RCA王立美術大学を卒業し、1984年に奨学金を取得し、ベルリンHdKで学びました。
1986年にはロンドンに自身のデザイン事務所を構え、2002年にパリ、2007年には東京に支社を開設。Vitra(ヴィトラ)やMagis(マジス)、マルニ木工、FLOS(フロス)など世界的な家具・照明ブランドから数多くの製品を発表し続けています。
家具や照明だけでなく、食器やキッチン用品、電化製品などのプロダクトデザイン、店舗や公共施設などの空間デザイン、そして近年では洋服や眼鏡、靴などアパレルのデザインも手がけ、彼の作品はニューヨーク近代美術館や世界の著名な美術館に収蔵されています。
ジャスパーの事務所は、同じくイギリス出身のデザイナー、Edward Barber & Jay Osgerby (エドワード・バーバー & ジェイ・オズガビー)が手掛けたAce Hotelや姉がインテリアデザイナー、妹がファッションデザイナーのインテリア・ファッションブランドTOOGOODのアトリエなど、最新のファッションやカルチャーが楽しめるロンドンのショーディッチエリアにあり、そこにはショップが併設されています。
ショップは事務所スタッフが運営し、ジャスパー自身がデザインした製品はもちろん、彼が世界中から厳選した無名の製品まで取り扱っており、訪れるたびに新しい発見がある、デザイン愛好家にとって必見の場所です。
ジャスパーは、親交の深いデザイナー、深澤直人とともに、優れたデザインを定義する言葉として「スーパーノーマル」という独自のデザイン哲学を掲げています。彼らは、本当の意味で私たちの暮らしを豊かにする、シンプルで実用的なデザインを追及し続けています。
2006年には東京で二人のキュレーションによるデザインの展覧会「スーパーノーマル展」が開催され、展覧会の図録は書籍化されました。
奥様が日本人ということもあり、日本とヨーロッパーの行き来が多く、日本との繋がりが強いジャスパーは、マルニ木工などの日本の家具ブランドのほか、無印良品(カトラリーや調理器具など)やJINS(眼鏡)などの日本企業ともコラボレーションしています。
JINSとのコラボレーションでは、眼鏡を1mm以下から再設計し、無駄を削ぎ落としたからこそみんなに似合う、これからの時代の「究極の普通=スーパーノーマル」を完成させました。
またスペイン出身のデザイナー、Jaime Hayon(ハイメ・アジョン)と共に、メンズのアパレルブランド「JIJIBABA」のディレクションも行いました。ハイメ・アジョンも、日本を代表する九谷焼の窯元、上出長右衛門窯とコラボレーションし、九谷焼の器を発表するなど日本文化と交流が深いデザイナーです。
ブランド名は、「日本は高齢者が多いから」というジョーク交じりに提案した「ジジババ」という名前の響きがキュートだということで、そのまま採用になったそうです。
日本ではコムデギャルソンのデザイナー、川久保玲がプロデュースするDOVER STREET MARKET GINZAにて販売されていました。
「Vitra(ヴィトラ) HAL TUBE(ハル チューブ)」は、「スーパーノーマル」という独自のデザイン哲学を基に、イームズのデザインに代表されるシェルチェアの現代における可能性を改めて再考して生まれた洗練されたデザインです。シェルには柔軟性があるポリプロピレンを使用しているためとても快適な座り心地です。シェルがポリプロピレン製のハルチェア、プライウッドのハルプライ、薄いクッション入りの革を張り込んだハルレザーなど、ハルチェアのバリエーションは、実に15種類にも及びます。
「FLOS(フロス) GLO-BALL T(グローボール T)」は、シンプルなデザインながら、存在感と安定感が少し変形した丸いガラスグローブです。白いガラスの球体のグローブに、台座部分の縁を残してほとんどがグローブ内部に隠れるくらい極小な灯具ボディを組み合わせ 、 暖かく上質な光が、空間全体を癒します。ガラスグローブは正円でなく、横方向に拡がりをもたせることによって、シンプルでありながらデザイン上のアクセントを保っています。ランプ挿入のためのガラス開口部を極限まで小さくすることにより、ガラスグローブ全体が余すところなく発光するように工夫されています。シェードには一切影が映らない、 360度どこからみても隙のない美しさです。
Jasper Morrison COLLECTION