COLUMN|vol.1コラム|vol.1
20世紀の名作住宅に佇む、家具コレクション
今回は、東京・六本木の国立新美術館で開催されている『 リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s 』の展示をご紹介します。1920年代から70年代といえば、多くの建築家たちが機能的で快適な新しい住まいを探求した時代ですが、本展覧会は、そのような20世紀における住宅デザインの革新的な試みを、衛生・素材・窓・キッチン・調度・メディア・ランドスケープの7つの視点から再考するものです。
1Fの本展では、Le Corbusier(ル・コルビュジエ)や
Ludwig Mies van der Rohe(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ)、
Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)をはじめ、当時を代表する建築家たちが手がけた14邸の傑作に焦点を当て、写真や図面、スケッチ、模型、テキスタイル、食器、雑誌、グラフィックなどを通じて、モダン・ハウスの魅力や進化を多角的に紹介しています。
14邸一覧
ル・コルビュジエ《ヴィラ・ル・ラク》(1923)
藤井厚二《聴竹居》(1928)
ミース・ファン・デル・ローエ《トゥーゲントハット邸》(1930)
ピエール・シャロー《ガラスの家》(1932)
土浦亀城《土浦亀城邸》(1935)
リナ・ボ・バルディ《カサ・デ・ヴィドロ》(1951)
広瀬鎌二《SH-1》(1953)
アルヴァ・アアルト《ムーラッツァロの実験住宅》(1953)
ジャン・プルーヴェ《ナンシーの家》(1954)
エーロ・サーリネン、アレキサンダー・ジラード
ダン・カイリー《ミラー邸》(1957)
菊竹清訓、菊竹紀枝《スカイハウス》(1958)
ピエール・コーニッグ《ケース・スタディ・ハウス #22》(1959)
ルイス・カーン《フィッシャー邸》(1967)
フランク・ゲーリー《フランク&ベルタ・ゲーリー邸》(1978)
会場には、当時の建築家やデザイナーらが住まいにあわせて手がけた家具コレクションも展示されており、来場者の視線を集めています。例えば
Eero Saarinen(エーロ・サーリネン)がミラー邸のためにデザインした「チューリップチェア」もその一つですが、きわめて優美な造形や機能性は、現代を生きる私たちの目にもモダンに映るのではないでしょうか。時代を超越したデザインは、色褪せることなく今へと受け継がれているのです。
同館の2Fでは『リビング・モダニティ today』と題した関連企画も行われており、1Fの本展と関わりの深い、20世紀を代表する名作家具の数々を実際にご体感いただける場となっています。
ここでは、MAARKETでも取扱いのある3ブランドのブースをご紹介しましょう。
Knoll(ノル)は、1938年にニューヨークで設立された、ミッドセンチュリーモダンを代表する家具ブランド。ここでは、
Eero Saarinen(エーロ・サーリネン)が手がけたPedestal collection(ペデスタル コレクション)中心にスタイリングされています。余分な要素をそぎ落としたシンプルかつ優美な佇まいは、
Knoll(ノル)の掲げる「Modern Always」を象徴するように、現代の住まいにも調和しています。
KARIMOKU CASE(カリモクケース)は、1940年代のケース・スタディ・ハウスにインスピレーションを得て、建築家やインテリアデザイナーと共に、現代のライフスタイルに合わせた家具を空間から提案する日本のライフスタイルブランド。今回展示されているNFコレクションは、イギリスを代表する建築家
Norman Foster(ノーマン・フォスター)がプライベートレジデンスのためにデザインした木製家具です。有機的なフォルムとエルゴノミクスの絶妙なバランスを追求し、工芸的な美しさと最新の加工技術による量産化を両立させたデザインが特徴で、使い心地や居心地の良さが感じられます。
いかがでしたでしょうか。今から100年程前、実験的な試みとして始まった住まいのモダニティは、人々の日常へと浸透し、今なおかたちを変えて息づいています。
本展覧会は、そうした文脈を辿りつつ、現代の私たちが自身の暮らしを見つめ直すきっかけにもなることでしょう。
ぜひこの機会に、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
展覧会開催概要
展覧会名:
リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s
RELATED ITEMS