Ettore Sottsass
エットレ・ソットサス
20世紀後半のイタリアデザインを代表する建築家・デザイナー、Ettore Sottsass(エットレ・ソットサス)。
1917年、オーストリアのインスブルックに生まれ、建築をはじめ、家具、工業製品、ガラス、陶器、グラフィックなど、幅広い分野で活動しました。
1950年代からは、イタリアの家具メーカーPoltronova(ポルトロノーヴァ)や、タイプライターなどで知られるOlivetti(オリベッティ)社のデザインに携わります。
機能性を重視する当時のモダンデザインに、鮮やかな色彩やポップアート、装飾的な要素を取り入れ、独自のデザインを追求しました。
1969年に発表されたOlivettiの「Valentine(バレンタイン)」は、その代表作のひとつです。
1960年代以降は、既存の家具や建築の概念にとらわれない実験的な作品を数多く発表。
鮮やかな色彩やストライプ、幾何学模様、人工的な素材などを大胆に組み合わせた「Superbox(スーパーボックス)」シリーズなど、従来の家具にはない表現を生み出しました。
ソットサスのデザインを語るうえで重要なのが、「機能主義だけでは不十分で、デザインは感覚的で刺激的なものでなければならない」という考え方です。
家具や建築を単なる機能的な道具としてではなく、人の感情や感覚に働きかけるものとして捉えていました。
その思想を象徴する活動が、1980年代に結成されたデザイングループ「Memphis(メンフィス)」です。
ミケーレ・デ・ルッキやナタリー・デュ・パスキエらとともに、
鮮やかな色彩、幾何学的な形、装飾的なパターン、プラスチックラミネートなどを大胆に組み合わせた家具やプロダクトを発表しました。
メンフィスのデザインは、使いやすさや合理性だけを追求する従来のデザインとは異なり、「見る人を楽しませること」や「驚かせること」を大切にしたものでした。
ソットサスがデザインした「Carlton(カールトン)」は、その象徴的な作品のひとつ。
収納家具でありながら、彫刻やアート作品のような強い存在感を持っています。
メンフィスを離れた後も、建築やインテリア、プロダクトデザインなど、さらに幅広い分野で活動を続けました。
また、ガラスや陶器などの作品にも取り組み、晩年まで新しい表現を追求しました。
2007年に90歳で亡くなるまで、ソットサスは既存のルールにとらわれることなく、色や形、素材を自由に組み合わせながら、デザインの可能性を広げ続けました。
機能だけではなく、楽しさや驚き、感情までデザインする。
その独自の姿勢から生まれた作品は、現在も多くのデザイナーに影響を与え続けています。
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