Ronan & Erwan Bouroullec

ロナン & エルワン・ブルレック

兄弟であるRonan & Erwan Bouroullec（ロナン＆エルワン・ブルレック）は、フランスのカンペールで生まれ、現代のフランスを代表するデザイナーです。
兄ロナン（1971年生まれ）は、パリの芸術学校（École Nationale des Arts Décoratifs）を卒業したあと、すぐに自身のスタジオを構え、弟エルワン（1976年生まれ）は、芸術学校（École des Beaux-Arts in Cergy-Pontoise）に通いながら兄の制作を手伝っていました。現在はパリに拠点を置き、活動をしています。
彼らの最初の共同作業は、兄ロナンがプロサッカー選手を夢見ていた子供の頃、両親が不在の週末にサッカーのゴールフレームを作ったことです。これが彼らのデザイナデュオとしての出発点かもしれません。

1997年にCappellini（カッペリーニ）によって発掘され、初めて工業デザインプロジェクトに参加しました。
2000年にコンテンポラリーデザインの発信地として名を知られるパリ・サンジェルマン地区にあるギャラリー、Galerie Kreo（ギャラリー・クレオ）で働き始め、2001年に最初の個展を開催しました。
その後、イッセイミヤケの新しいコレクション「A-Poc」のためのブティックをデザイン。Vitra（ヴィトラ）では「Joyn（ジョイン）」という新しいオフィスシステムのデザインに取り組みました。それ以来、彼らはArtek（アルテック）、Magis（マジス）、HAY（ヘイ）、Kettal（カルテル）、Flos（フロス）、Iittala（イッタラ）、Alessi（アレッシィ）、Kvadrat（クヴァドラ）など、多くの世界的に有名な家具や照明、インテリアのブランドとコラボレーションしています。

ファッションの分野では、Pradaの2018年秋冬メンズコレクションに、Konstantin Grcic（コンスタンチン・グルチッチ）や建築家のRem Koolhaas（レム・コールハース）、Herzog & de Meuron（ヘルツォーク&ド・ムーロン）らと共に参加し、ブルレック兄弟は、アート作品を運ぶフォルダーから着想を得たバッグをデザインしました。
また、Jasper Morrison（ジャスパー・モリソン）やKonstantin Grcic（コンスタンチン・グルチッチ）と同じく、日本の眼鏡ブランドJINSとのコラボレーションもしています。

彼らの才能は、ジュエリーデザインから、空間デザインや建築、職人技から産業規模、ドローイングからビデオや写真に至るまで、多くの分野をカバーしています。
サステイナビリティ、コスト削減、伝統的な工芸技術の保存のための革新的なソリューションを発明しています。

彼らのデザインを語る上で重要なキーワードは「オーガニック＝有機的」です。
自然の造形物にインスピレーションを得た作品が多く、Vitra（ヴィトラ）から発表されている「Algue(アルギュ)」や葉っぱの葉脈をイメージしたチェア「Vegetal(ベジタル)」。最近ではArtekから発表した、固く無機質なチューブと柔らかく有機的なロープを使用した「Rope Chair（ロープチェア」があります。
また、兄ロナンによる最新のドローイングの滑らかな線で描かれる抽象画は、植物のクローズアップのようでもあり、有機的で甘美な魅力を感じさせます。

「Vitra（ヴィトラ） BELLEVILLE ARMCHAIR WOOD（ベルヴィル アームチェア ウッド）」は、洗練された技術によってできたプラスチックチェアで、フレームとシートシェルから構成されています。前方に向かってゆるやかにカーブした特長的な肘掛けが快適な座り心地をもたらします。プライウッドの成形合板を用いたベルヴィルチェアウッドは、木製のシートによって暖かみのある雰囲気が特徴です。ベルヴィルとは、クリエイティブな人たちが集うビストロ、バー、カフェで賑わっているパリの地域の名称で、街の雰囲気と、クラシックなフランスビストロの装飾からインスピレーションを得て、コンセプトと商品開発を行いました。

「Artek（アルテック） ROPE CHAIR（ロープ チェア）」は、シンプルな線画が三次元に変換され、空間にその姿を現し、まるでゆらぐ影のような芸術的なシルエットをしています。この椅子は正反対の要素を掛け合しており、最新の技術とクリエイティブな表現、頑丈な構造と柔軟な背もたれ、固く無機質なチューブと有機的なロープで構成されています。

「Magis（マジス） STEELWOOD COAT STAND（スティールウッド コートスタンド）」は、鉄と木という斬新な素材の組み合わせと、緻密なフレーム構造が大きな注目を集め、世界的にベストセラーとなったブルレック兄弟による作品です。

「FLOS（フロス） AIM（エイム）」は、遊び心もあり、シンプルなデザインのこれらの吊り下げ状の照明は、植物が自然にのびていく、または枝が成長していくかのようにしなやかに美しい曲線を描くコードを造り出しています。 ブルレック兄弟は、この照明にも見られる通り、自分たちのインスピレーションの源は自然とその熟考にあると確信しています。有機物と言われる物の特徴がシンプルかつ自然性であれば、彼らもまたシンプルで基本的な物を作っています。

「Vitra（ヴィトラ） ALGUE（アルギュ）」は、植物の葉脈がモチーフです。ピンでつなぎ合わせることで大きさ、形を変えることができ、部屋の仕切りやカーテンとして使用したり、オブジェとして飾ったりと、用途はさまざまです。

「Vitra（ヴィトラ） L’OISEAU（ロワゾー）」は、北欧の民芸品に見られるシンプルな造形であるが故、文化や環境を選ばず現代のインテリア空間を魅力的に彩ります。